クリスマスが近づくと、お店の入り口や窓、民家のドアにクリスマスリースがかけられます。
クリスマスツリーほどきらびやかではないけれど、不思議に存在感のあるクリスマスリース。
クリスマスツリーのお手軽版かと思ったら、大間違い!
クリスマスリースには、ツリーとは別の意味があったのです。
クリスマスリースの由来や歴史から、その意味を探ります。
クリスマスリースの由来
いまやクリスマスの定番アイテムとなったクリスマスリース。
クリスマスなので、当然、キリスト教にかかわりのあるもの。
なのですが、その由来は、キリスト教が始まるよりも前にさかのぼります。
クリスマスリースの由来・ユール
いま、街のクリスマスリースは、リボンやバルーンなど、さまざまにアレンジされて、わたしたちの目を楽しませてくれていますね。
けれども、クリスマスリースの基本は、緑の葉っぱで作るもの。
その由来が、「ユール」にあります。
ユールは、いまでもデンマーク語ノルウェー語スウェーデン語などでクリスマスをさす言葉として残っている古くからのお祭りです。
もともとのユールは、キリスト教でクリスマスが始まるよりも前からあった北欧の冬至のお祭り。
冬至は一年で一番夜が長い日です。
ユールでは、冬至をこれから太陽が再び戻ってくる一年の始まりの日として、神さまに捧げものをして、お祝いをしました。
(飲んだり食べたり歌ったりもします)
そして、やってくる魔物を寄せ付けないための、魔除けをします。
このユールで使われたのが、いまクリスマスリースでも使われる緑の葉っぱ。
冬でも枯れない常緑樹です。
樫の木や松の木、西洋ヒイラギなどがユールの重要なアイテムでした。
クリスマスリースの由来・冠
クリスマスリースとクリスマスツリーは、どちらも常緑樹で作られます。
ふたつの大きな違いは、その形。
クリスマスリースは、まるい輪になっていますね。
この形は、古代ギリシャの冠に由来しています。
古代ギリシャでは、植物で作られた花輪が冠や首飾りとして身に着けられました。
花輪は、特別な職業や身分、功績のあった人がかぶります。
特に月桂樹の葉の冠は、ギリシャ神話のアポロンがかぶった冠として、広く用いられました。
また、古代オリンピックでは、勝者にオリーブの冠が授けられました。
クリスマスリースの歴史
ユールで使われていた常緑樹や古代ギリシャの冠。
これらがキリスト教と習合して、クリスマスに取り入れられました。
キリスト教の宗派によって、クリスマスの決め事は異なりますが、そのうちのひとつに、12月25日のクリスマスの約4週間前からキリストの降誕を待つ「アドベント」の行事があります。
このアドベントでリースが使われるようになったのは16世紀のこと。
19世紀になってから、子どもたちにクリスマスの意味や目的を教えるためのアイテムとして、現代版アドベントリースの原型となるリースが生まれました。
クリスマスにリースを飾る意味
古いユールで使われた常緑樹は樫や松の木そして西洋ヒイラギ。
冬でも枯れずに緑をたたえることから、生命、再生を象徴しています。
また、北欧の長く寒い冬の悪魔を打ち負かす、魔よけになるものと考えられていました。
キリスト教のクリスマスの常緑樹はもみの木がおなじみですね。
キリスト教では、常緑やリースの丸い輪は始めと終わりがない永遠の命をあらわし、ヒイラギはキリストのイバラの冠、赤い実はキリストの血をあらわすといいます。
クリスマスリースを飾るなら
クリスマスリースの素材の常緑には永遠や魔除けの意味がありました。
いまでは、植物に限らず、いろいろな素材のクリスマスリースがありますね。
クリスマスリースを飾るなら、玄関には正統派のグリーンで魔除けがしたいな^^
お部屋の中には、伝統にこだわらない、今風アレンジのリースを飾ったらいいかも!と思います。
すてきなクリスマスになりますように!
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