台風の名前 コンレイの由来 カンボジア民話の少女のお話


台風には数字の付番のほかに、各国もちまわりで決めた名前がついていますね。
台風29番目の台風の名前は「コンレイ(Kong-rey)」。
カンボジアの命名です。
2018年は、台風25号の名前になりました。

「コンレイ(Kon-rey/Kon-rei)」はタイ、カンボジア、ラオスなど東南アジアに広く伝わる伝説の娘の名前。

いったい、どんな伝説なのでしょうか。
台風の名前「コンレイ」の由来となるお話をお伝えします。

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台風の名前コンレイ(Kong-rey)の由来

カンボジアのコンポンチュナン州には、ニャンコンレイという山があります。
台風29番目の名前「コンレイ」と同じ名前。
ニャンコンレイはコンポンチュナンの観光スポットのひとつで、4月のクメールニューイヤーでは、とりわけ賑わいをみせます。

ニャンコンレイは霊山ともいわれ、お祈りや瞑想をする人々が集まります。
遠くから眺めたシルエットは、まるで横たわり眠る女性のようです。
この霊力ある女性こそが、コンレイ
台風の名前にもなった伝説の娘です。

コンレイ カンボジア民話(再話)

コンレイのお話は、クメール(昔のカンボジア)の民話で、カンボジアだけでなく、タイやラオスにも伝わっています。
各地で少しずつ違いますが、おおまかなプロットは同じお話です。
コンレイのお話の題名は、「十二人の姉妹」ともいいます。

昔、あるところに裕福な夫婦がいました。妻は12人の娘を産みます。
12人の養育は厳しく、事業も失敗して一家は借金を抱えるほどになってしまいました。
生活に困窮した父親は娘たちを森に捨ててしまいます。

そこは巨人の森。
12人の姉妹は巨人の鬼女につかまってしまいました。
鬼女は、自分の娘コンレイの召使として、姉妹を連れ帰ります。
姉妹には辛く厳しい生活が続きました。

数年後、姉妹は巨人の森を逃げ出すことに成功して、近くの王国にたどりつきました。
王国で姉妹たちは王に見初められ、12人姉妹一緒に王と結婚しました。

姉妹たちの逃亡を知った鬼女は、魔術で美女に変身し、王に近づきます。
そうとも知らない王は、鬼女を13番目の妻として迎えます。
鬼女は、仮病をつかって重病にかかります。
王は手を尽くして妻の病を治そうとしますが、かないません。
そんな王に鬼女はささやきます「目玉が23個あれば治る」と。

12人の姉妹たちは鬼女の策略で目を失います。
ひとり、末娘だけは、片目が残りました。
そして、食べるものもない洞窟にほうりだされてしまいました。

12人の姉妹は、洞窟で王の子を産みますが、育てることはできませんでした。
ひとり、末娘が産んだ男児プットサエンだけは命を守ることができました。
プットサエンとは「知恵あるもの」という意味です。

強く賢く強運に育ったプットサエンは、洞窟の外にでて、母と伯母のために食料の調達に励みます。

プットサエンの成長ぶりを知った鬼女は、将来彼が王になること、復讐されることを懸念します。
そこで鬼女は、仕事の名目でプットサエンを隣国へ向かわせることにしました。
隣国へ行くには巨人の森を通らなければなりません。
その通行許可証として、鬼女はプットサエンに一通の手紙を渡しました。
けれどもその許可証には、「朝に着いたら朝のうちに、夜に着いたら夜のうちに、彼を食べてしまえ」と書かれていたのです。

そうとも知らないプットサエンは、隣国へ向かいます。
途中休憩してうとうとしていると、森の隠者がやってきました。
寝ているプットサエンが持つ通行許可証に邪気を感じた隠者は、魔法の力で中身を書き換えます。
「朝についたら朝のうちに、夜に着いたら夜のうちに、この男とコンレイは結婚すべし」と。

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鬼女の娘コンレイは、プットサエンが母の敵であることを知りません。
彼女はプットサエンを一目見て、恋に落ちました。
プットサエンを愛するコンレイ。
そして、そんなコンレイに、プットサエンもまた、彼女を憎からず思うのでした。

プットサエンに心を許したコンレイは、巨人の森を案内し、魔法や、保管してあるコンレイの母と伯母の目玉のありかを教えます。

目玉のありか、目を治す魔法を知ったプットサエン。
コンレイの気持ちをしりつつも、目玉を取り返し、秘薬を盗み、プットサエンは母と伯母のいる洞窟へと急ぎます。

プットサエンを追うコンレイ。
プットサエンは天翔ける馬に乗り、空高く逃げていきます。
追いすがるコンレイ。
それを止めるため、プットサエンは魔法の薬で二人の間の土地を湖に変えます。
泣き、叫び、懇願するコンレイ。
泣いて泣いて叫んで。
心はりさけるコンレイ。
コンレイは山になってしまいました。

このあと、プットサエンは母と伯母の目を治し、鬼女への復讐を果たします。

これが、カンボジアに伝わる、「プットサエンとコンレイ」「12人の姉妹」のお話です。

頭を南に、足を北に、コンレイは山となって湖のそばで眠っています。
山に生える草は、コンレイの髪。
コンポンチュナンの人々は、コンレイの眠りを覚まさぬよう、山の葉を採ることはないということです。

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