春のお彼岸、秋のお彼岸。ぼたもちを食べますね。
あれ?おはぎ?どっちだっけ?同じもの?
と疑問符いっぱいになりました。
おはぎとぼたもち、そっくりなふたつ。
同じなのかな?違うのかな?
もしや他にも仲間があるかも!おはぎ&ぼたもちの謎を解明します!
おはぎとぼたもちは同じ!
お彼岸のレシピ
材料…もち米とうるち米を混ぜたもの。あるいはもち米だけで。
製法…蒸す、あるいは炊く。米粒が残る程度に搗く。丸める。餡をまぶす。
お彼岸によく食べられる。
この食べ物は何でしょう?
というクイズなら、答えは「おはぎ」「ぼたもち」どちらも正解。
そう、おはぎもぼたもちも、食べ物としては同じものなのです。
おはぎとぼたもちの違いは?
おはぎとぼたもち。食べ物としては同じもの。
じゃあ、どうして名前がふたつあるの?どう違うの?
ふたつの違いは季節。
春のお彼岸と秋のお彼岸で、呼び名が変わります。
江戸時代に編纂された百科事典『和漢三才図会』の第105巻には「牡丹餅」の項があり、そこには簡単なレシピとともに呼び名を知る記述があります。
春のお彼岸は「ぼたもち」
『和漢三才図会』での記述は「牡丹餅」。
漢字の牡丹餅に、ふりがなで「ぼたもち」と記されています。また「保太毛知」の記載もあります。
春から初夏にかけて咲く花、牡丹に由来してこの名前がつきました。
秋のお彼岸は「おはぎ」
『和漢三才図会』での記述は、牡丹餅と並べて「萩の花」との記述があります。
また「波岐乃波奈」とも書かれています。
これがやがて「お萩」と呼ばれるようになったのですね。
草かんむりに秋と書いて「萩」。萩は秋の七草のひとつでもあります。
秋のお彼岸にぴったりですね。
おはぎとぼたもちの他の呼び名
さて、春はぼたもち、秋はおはぎ。
それなら、夏と冬には何て呼ぶ?と疑問がわきます。
夏と冬のおはぎとぼたもち。
花ではなく、言葉あそびで命名されているのでした。
ポイントは、その製法。
ふつう、おもちは杵と臼でぺったんぺったん搗きますね。
粒がなくなるまでなめらかに仕上げます。
でも、おはぎとぼたもちで使うのは、すり鉢とすりこぎ棒。
米粒を全部つぶしきらずに作ります。
そこから生まれた、おはぎぼたもちの夏冬の呼び名。
夏は「夜船(よふね)」
夜は暗く、船がいつ着いたのかわかりません。
おはぎぼたもちも、音がなく、いつ搗いたのかわかりません。
どちらも「つき知らず」。
「つき」に着きと搗きの二つの意味を持たせた掛詞になっています。
冬は「北窓(きたまど)」
冬のおはぎぼたもちも、「つき知らず」です。
北窓の「つき知らず」は、北の窓からはお月さまが見えないから。
「月知らず」というわけです。
まとめ
春秋がお花からの命名、夏冬が夜の景色から命名。
自然の風物から発想して、言葉遊びまでするあたり、粋だなぁって思います!
名前がかっこよすぎて、ぼたもちの姿にはもったいないみたい^^;(なんてね)
みなさんがこれから食べるのは、おはぎかな?ぼたもちかな?
わたしは夜船を食べようと思います!
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