七夕の歌で思い浮かぶのは、「ささのはさらさら~♪」ではじまるあの曲。
えーと、題名は何だっけ?改めて考えると、あれれ…?そういえば歌詞もあやふや。
そこで、歌詞の意味もあわせて、まとめて解説します!
ささのはさらさらの題名
七夕の歌ささのはさらさらの題名は、ずばり「たなばたさま」です。
七夕の歌には「たなばたまつり」や「ほしまつり」等々、他にもたくさんあって、覚えるのもなかなか大変。
わたしの覚え方は、歌い出し「ささのはさらさら」で、はじめに「さ」が多く使われているので、「たなばた『さ』ま」とインプットしています。^^;
ささのはさらさらの歌詞の意味
たなばたさま
作詞 権藤はなよ 補作詞 林柳波 作曲 下総皖一
笹 の葉 さらさら 軒端 にゆれる
お星 さま きらきら 金銀砂子
五色 の短冊 わたしが書 いた
お星 さま きらきら 空 から見 てる
直訳(?)すると、
笹の葉がさらさらと軒端にゆれています。
お星さまはキラキラと金銀砂子のようです。
わたしが書いた五色の短冊を
お星さまがキラキラと空から見ています。
となるでしょうか。
少し、普段は聞きなれない言葉がでてきました。
「のきば」って何でしょう?
「きんぎんすなご」は?
「ごしき」の短冊って、「ごしょく」じゃないの?
もうすこし、詳しく解いていきましょう。
のきばと金銀すなご、ごしきの短冊
聞きなれない言葉、「のきば」「すなご」「ごしき」について、順にみていきます。
軒端(のきば)
字のままに読むと、軒の端っこということですね。
今は、マンションなど集合住宅も多く、また建築デザインの変化から、「軒」自体あまり見ることが少なくなりました。
軒は、屋根の先が、家の壁よりも外側に出ている部分です。
軒端は、この軒を指すこともありますし、軒の端という意味に使うこともあります。
軒の端とはいっても、正面から見た右端左端ということではありません。
軒を側面から見た先端、屋根が終わる部分です。軒先ともいいます。
たなばたさまの歌では「のきばにゆれる」とあります。
この情景の笹は、単に軒下にあるのではなく、軒先から幾分外側に張り出して、夜風にゆれているのではないでしょうか。
砂子(すなご)
砂子は、細かい砂粒という意味のほかに、金箔銀箔の粉末の意味があります。
この金箔銀箔の粉末は、蒔絵や色紙、襖、そして短冊などに吹きつけるためのものです。
たなばたさまの歌では、夜空の星を金銀砂子とたとえています。
金箔銀箔の粉末ならそれだけで金銀ですから、さらに金銀砂子という必要はないかもしれません。それなら、金銀の砂粒といっているのでしょうか?それとも、金銀と言葉を重ねて、きらびやかさの強調?
たなばたさまの歌詞では、一番の終わりに「きんぎんすなご」と歌ったあと、二番の初めに「ごしきのたんざく」が出てきます。
ですから、ここでは、金箔銀箔の粉の意味ととらえ、暗に直後に続く短冊のイメージを潜ませているように思います。
一番では、わたしの目の前にある軒先の笹の葉から、目線を天に上げ、そこには短冊の砂子のようにきらびやかな星々があります。
二番で、その星々は、わたしの目の前の笹に飾った(伏線にあった)短冊をみています。
あえて金銀の意を重複させたのは、始めに「ささのはさらさら」で「さ」を続けたように、「きらきら きんぎん」と「き」で韻を踏んだのでしょう。
五色(ごしき)
七夕は中国から伝わった風習と日本の風習が融合して今に至りました。
五色は、色の数を数えるなら「ごしょく」ですが、たなばたさまの歌にある、五色の短冊では「ごしき」と読みます。
「ごしき」には、たくさんの色という意味もありますが、七夕の短冊の五色は決まっていて、青・赤・黄・白・黒、あるいは青を緑に、黒を紫に代用します。
これは、中国古来からある自然哲学の五行説に基づいています。五行説では、万物を五つの元素に分け、それぞれに方角や時間など様々な性質を定義しています。定義された性質のひとつに色があり、それが五色と呼ばれる青・赤・黄・白・黒なのです。五行の五色は、魔除けの力があるともいわれています。
まとめ
たなばたさまの歌詞を意訳すると、
笹の葉が、軒先でさらさらと揺れています。
天にはきらきらと輝く星々。
金銀にちりばめられた、きらびやかなその星々は、
わたしが願いをこめて書いた五色の短冊をみています。
となるでしょうか。
情景が目に浮かびますね。
七夕の夜。
笹の葉が静かに揺れています。
一方、天はうんと賑やかな様子。
お星さまは、わたしの短冊をみて、きっと願いを叶えてくれるに違いありません。^^
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