絵本の読み聞かせ。読み聞かせボランティアを始めたけれど、みんなの前で読むのは緊張するもの。どんなふうに読んだらいいの?上手に読めるかしら?と、不安なこともあるでしょう。
ここでは、はじめての読み聞かせの前に知っておきたい、絵本の読み方について解説します。
読み聞かせ・絵本の読み方
表紙からタイトルページ
まず、表紙を見せ、タイトル、文・絵の作家名を読みます。
学齢前の集まりの場合は、作家名は省略してもかまいません。
会場の注目を確認してから、ゆっくりと表紙をひらきます。
あらかじめ、カバーははずしておきますが、カバーがついている場合、ソデ(カバーを折り返した部分)は読みません。
見返しをめくります。見返しが無地でも、省略せずにめくりましょう。
扉、タイトルページと、本文にたどりつくまで、ゆっくりとめくります。
絵が描かれている場合は、すこし止め、絵に目がいくようにします。
献辞は読みません。
表紙から本文に至るまでのページは、おはなしが始まる前の、導入部分です。この数ページの静けさが、現実から絵本の世界へのトンネルとなり、子どもたちを導きます。
この先にどんな世界が待っているのか、ページをめくるごとに、一歩一歩近づきます。
タイトルページで止まり、もう一度タイトルを読みます。
タイトルページをめくって、さあ始まりです。
本文
文章の文言は、書いてある通りに、順番にすべて読みます。
勝手に言葉を付け加えたり、省略したり、言葉の置き換えをしてはいけません。
これは、絵本に対する真摯な敬意でもあります。
読み聞かせでは、大げさな声色や、身振り手振りは必要ありません。
逆に、文字を棒読みするのでもありません。
「文字」を読むのではなく「文章」を、さらにはその意味を読む気持ちで。そうすると、自然と、文章にふさわしい強弱や高低、間、緩急、リズムが生まれます。
また、絵本は「絵」と「文字」で成り立つものですから、文章を読むだけでなく、「絵を読む」ことも必要です。ページを開いて、絵をみてから文章を読む、あるいは文章を読んだあとでもすぐにページをめくらないなど、内容にあわせて工夫しましょう。
奥付から裏表紙
始まりと同じように、本文が終わっても、最後までページをめくりましょう。
奥付は読みません。ページをめくり終わったら、裏表紙も見せます。
これで、絵本の世界から現実に帰りました。
最後に、もう一度表紙を見せます。
この表紙は、始めに見たときとは違う、「思い出」の表紙になりました。
最後に、「おはなし、〇〇〇でした。おしまい」とタイトルを読んでもいいでしょう。
わたしはこのとき、絵本をすこし前に傾けて、絵本にかわいいお辞儀をさせています。
表紙と裏表紙がつながった絵になっているときには、広げて全体が見えるようにします。
これで終了です。
読み聞かせ・声の出し方
おはなしを伝えるためには、聞き取りやすく、通る声を出さなくてはなりません。
また、内容を表現するために、声の強弱、高低などをコントロールします。
声は、息によってコントロールされ、息は体でコントロールします。
体……腹筋・背筋を鍛え、姿勢よく
姿勢が悪いと、声道が狭くなり、声の通りが悪くなります。
下あごを少しひく
肩を後ろに引き、胸を広げる
背筋をのばす
などを意識するとよいでしょう。
息……腹式呼吸
複式呼吸での発声は、肺からの空気を一定にコントロールして声帯を振動させるので、発声が安定します。これにより、声が通るようになります。
声……発音・滑舌をよくする
口をしっかりと動かして、はっきりした声にしましょう。
はじめに「アイウエオ」の母音それぞれが区別できるように練習しましょう。
母音は、声帯からノドを通って鼻や口の外に出るまで、どこにも摩擦なく発せられる、基本の音です。母音がはっきり発声できるようになったら、子音の練習につなげていきましょう。
読み聞かせは、子どもたちと一緒に、絵本の世界を楽しむもの。
読み手自身が、絵本を楽しんでください。
すてきな読み聞かせができますように!!
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