紙芝居 絵本とは違う読み方 演じ方のコツ 準備から上演まで順を追って解説

 読み聞かせの現場では、おはなし会などのプログラムのなかに、絵本のほかに紙芝居を組み込むことがあります。
 絵本と紙芝居は、どちらも絵と言葉によっておはなしを伝えます。
 けれどもその伝え方には違いがあります。
 ここでは、紙芝居の絵本とは違う特徴をみながら、読み方(演じ方)について、順を追って解説します。

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紙芝居と絵本の違い

 紙芝居は、あらかじめ順番が整えられた絵本と違い、ページがバラバラのままです。
 そして、絵と文は、表裏に分かれています。
 そのため、読んでいるときに、絵は見えません。
 これが、紙芝居と絵本の大きな違いです。
 紙芝居には、絵を見る人のために、文を読む人が必要です。読む人は、そのことに徹する「演者」になります。

紙芝居・読み方(演じ方)のコツ

準備・下読み

 紙芝居の文の面には、声に出して読む文のほかに、場面の意図、気をつけるポイント、ト書き(場面展開に関する指示など)などが書かれています。作品によっては、半分までぬいて止めたり、サッと抜いたり、いろいろな演出があります。下読みで、これらの演出を確認し、稽古しましょう。

下読みの手順

 まず初めに全文を通読します。ここで作品の全体像・世界観をつかみ、作品の出来事や登場人物の性格を把握しておきます。

 次に、内容の読み込みをします。
 紙芝居の場面と文は、1枚の表裏で完結しているのではなく、見えている場面の、ひとつ前の紙(ぬいたばかりの紙)に文が対応しています。

 順番を揃えた画面を表にして重ねて置き、最終画面のウラ(文の面)をその隣に置きます。これで、1枚目の画面を見ながら、それに対応する文を読むことができます。
 1枚を読み終えたら、見えていた画面を裏返して隣の文の上に重ねれば、次の画面と文の組み合わせができます。これを繰り返し、最終まで読み進めます。
 強調する言葉、声の強弱、間などを考えながら、声に出して読み込みましょう。

 読み込みが終わったら、実際に舞台を使って練習します。ここで場面のぬきさしなどを確認しましょう。

 念入りに下読みをすることで、作品の内容が伝わる、観客の心に響く演じ方ができるようになります。

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準備・順番を揃える

 上演前に、場面の順番を再確認しましょう。
 順番が乱れていることに気づかず上演を始めると、途中でやり直すこととなり、観客の集中が途切れてしまいます。

準備・舞台の設営

 観客の人数や舞台との距離にもよりますが、舞台の高さは、観客の座高と同じか少し上ほどがよいでしょう。目線が少し上を向くくらいに調整しましょう。
 位置が決まったら、紙芝居をセットして扉を閉じておきます。

上演・立ち位置

 演者は、舞台の裏に隠れるのではなく、舞台の横に立って、観客と向き合います。
 舞台の裏ですと、声が通りません。上演中、観客は、場面を見つつ、無意識に声の出どころも探ります。文字を読みながらでも演者の存在がわかる位置で演じましょう。

 観客は、演者の声を聞き、表情をみるだけでなく、おはなしを紡ぎだすひとがそこにいるということ、その存在も含めて、紙芝居を楽しみます。

上演・舞台扉の開き方

 左右をゆっくり開き、最後に天を開きます。
 いよいよ始まる期待が高まります。

上演・演じ方

 さて、紙芝居は「演じる」ものではありますが、演じすぎてもいけません。
 事前にしっかりと下読みをして、作品の内容を理解していれば、自然と場面にふさわしい演じ方ができるでしょう。

 声色を変えたり、大げさに演じる必要はありません。
 声の強弱、高低、間のとりかたなどで内容を表現します。

 せりふ(登場人物が話す場面)は、その役になって。年齢や性別、性格、そのときの気持ちを考えて演じます。
 情景や状況の説明、時間経過などは、間や緩急で表現します。
 擬音は、リズムや強弱で表現するとよいでしょう。

 場面のぬきさしの効果と併せて、演じましょう。
 観客の様子をみながら、ときに観客に呼びかけ、応えることも大切です。
 

上演・終わり方

 おはなしが終わったら、開いたときとは逆の順番でゆっくり舞台の扉を閉じます。
 紙芝居は扉の向こうにしまわれました。
 扉が閉まりきったら、会場を見渡し、ひと呼吸おいて「おしまい」と言葉をかけるとよいでしょう。この言葉が、呪文のように紙芝居の世界と現実とに区切りをつけます。

 観客には、夢を見ていたような、旅の思い出のような、余韻が残るでしょう。

紙芝居・絵本とは違う見せ方。「舞台」と「ぬき・さし」
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