おはなし会では、複数の子どもたちに読み聞かせをします。
みんなに絵本を楽しんでもらうためには、どのような絵本を選んだらよいでしょうか。
複数の子どもたちへの読み聞かせには、家庭で楽しむのとは違った、押さえておきたいいくつかのポイントがあります。
ここでは、いろいろな種類の絵本のなかから、形態、内容に着目して、おはなし会に向く本について解説します。
読み聞かせ絵本の選び方ポイント
絵本のいろいろ
絵本には、形態や表現方法、内容など、いろいろな種類があります。
形態…大型絵本、小型絵本、ページが折り込まれていて、広がるもの
表現方法…絵、版画、貼り絵、写真、コラージュ、文字のないもの
内容…物語、昔話、詩、知識・科学、物、生活に関するもの
ここに挙げたのは一例で、ほかにも様々な絵本があります。
見るために
選書のポイント
- ある程度の大きさがある
- 絵がはっきり見える
- ページを開いて、両ページをあわせた全面でひとつの絵になっている
- 絵と文章のバランス
おはなし会のように、複数の子どもたちへの読み聞かせでは、うしろの子どもまで見える大きさで、遠目でもはっきり見える絵の本を選びましょう。絵本には、細かい描写を楽しむものもありますが、おはなし会では、その絵本の魅力を伝えることが難しくなります。
また、ページの左右に絵が分かれ、時系列が変遷するものは、小さな子どもにとって絵をみる順番とおはなしとのつながりを理解することが難しいこともあるので、できるだけ避けた方がよいでしょう。
絵と文章のバランスは、文章が多くなりすぎないものにします。絵本の読み聞かせでは、絵を見ると同時に、おはなしを聞きます。「聞く」時間ばかりが長くなりすぎないバランスのものがよいでしょう。
聞くために
選書のポイント
- 子どもの年齢や興味にあわせる
- お話しの長さ
- 文章のリズム
おななしを楽しむには、子どもたちの理解度や興味にあわせた絵本を選ばなくてはなりません。図書館など、集まる子どもたちの年齢が不確かな場合は、複数の候補を用意しておくといいですね。
また、年齢に開きがあるときは、低めの年齢にあわせつつ、上の年齢の子どもも楽しめる内容のものを選びましょう。
年齢別の理解と興味のめやす
0~1歳
1歳まではいろいろな言葉を聞き、蓄えていくインプットの時期。大人にわかるようなアウトプット(発語)がまだでも、言葉のデータはしっかり記録されています。
身近なものごと、食べ物や乗り物、動物の絵本がおすすめです。
2~3歳
2歳ころから、単語をつなげたおしゃべりができるようになってきます。単純なおはなしの流れもわかりはじめます。
音の繰り返しに加えて、ものごとのくりかえしの絵本も楽しめるでしょう。
自分に似たものを喜ぶ時期でもあるので、日常生活のできごとを取り上げた絵本は、自分を投影して共感できるようになります。この時期を経ると、主人公の気持ちになって、絵本の世界にはいっていけるようになります。
4歳~6歳
4歳ころになると、関心の幅が広がるなかで、自分の好みがはっきりしてきます。この時期は、科学や知識の本も、興味深く楽しめます。
また、だんだんと、おはなしを聞いて「想像」もできるようになりますから、自分の生活とは離れた、昔話も楽しめるでしょう。
黙読と音読で、絵本の印象は変わります。どんなリズムで言葉がつながり、文章になっていくか、声に出して確かめましょう。
これらをふまえ、絵と文章とがともに自分の琴線に触れるもの、すてきだなと思えるものが選べるといいですね。
読み手は、絵本の楽しさを子どもたちに伝える役目があります。読み手自身が良いと思える絵本でなければ、その魅力は伝わりません。(もちろん、ひとりよがりは禁物ですが^^;)
是非、自分が納得いく絵本で、子どもたちと絵本の楽しさを共有してください。
そのためにも、日ごろからアンテナを張って、より良い絵本を探しましょう!!
子どもたちにぴったりの、すてきな絵本が見つかりますように!!
読み聞かせボランティア・絵本の読み方と声の出し方
おはなし会・プログラム概略。会場設営から挨拶、お話し、終了まで
コメント