赤ちゃんに絵本の読み聞かせをしたいのに、ページをめくると邪魔をするし、なめたり、かんだりで、ぜんぜんお話を聞いてくれない。
読み聞かせにはまだ早いのかしら?
そんなママの疑問にこたえて、絵本の扱い方、読み聞かせの取り組み方についてお話しします。
赤ちゃんが絵本をかじるのはなぜ?
「お口がムズムズするの!」
赤ちゃんは生後5~6ヶ月、離乳食が始まるころから、これまでのミルクを「吸う」からモグモグ「噛む」ことを覚えます。
そして歯が生え始めると、歯茎がむずがゆくなって、ぐずったり、夜泣きをしたり、ご機嫌ななめの日が続きます。
歯ぐずりの時期ですね。
この時期には、口が気になって手を入れたり、よだれまみれでタオルやおもちゃを噛んだりします。
絵本をかじるのもそのあらわれかもしれません。
歯ぐずりする子、しない子には個人差がありますが、歯が生え揃う2歳近くまで続くこともあるようです。
歯のむずがゆさを緩和するには、「歯固め」が効果的といわれています。
歯固めは、赤ちゃんの噛む欲求に応える道具。
タオルやおもちゃ、そして絵本を噛むのも、赤ちゃん自身が無意識に手近なものを歯固めにしているのでしょう。
歯固めには、お米、シリコンなど、いろいろな素材、そして色・形があります。
赤ちゃんお気に入りの歯固めが見つかれば、絵本の被害も軽減されそうですね。
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「いましらべてるの!」
赤ちゃんはお口がとても敏感。
何かを触って確かめるとき、大人は手を使いますが、こどもは口を使います。
まるで口がアンテナになっているようです。
ですから、興味を持ったものは、たいていカミカミ確認をします。
絵本をかじるのも、好奇心のあらわれ。
「これはなにかな?」と興味津々で確かめているのでしょう。
でも、絵本がボロボロになるまで噛んで噛んで噛みしめて確かめても、赤ちゃんにはおもちゃと絵本の区別がつきません。
赤ちゃんにとっては、絵本も遊び道具のひとつなのです。
赤ちゃんが絵本をかじってしまうのは、仕方のないこと。
赤ちゃんが自由にさわれる絵本は消耗品と割り切るしかなさそうです。
そのうえで、絵本が傷ついてしまったら、「ご本、いたいいたい」「かわいそうね」「やさしくしてね」となでなでして、修理してみせるのもいいですね。
そして、たとえば、ごはんは食べるもの、お洋服は着るもの、おもちゃは遊ぶものと覚えるように、絵本は楽しいけれど、おもちゃのなかまではなく、見るもの・読むものなのだとその都度伝えていきましょう。
いま理屈はわからなくても、いずれじんわりと伝わっていくことでしょう。
お片づけも、絵本とおもちゃは別の場所にして、絵本の特別感を演出するのも一案です。
おもちゃと区別できるようになれば、絵本を噛むこともなくなるでしょう。
赤ちゃんに絵本の読み聞かせはまだ早い?
絵本の読み聞かせは、月齢を気にせず、いつから始めてもよいものです。
はじめは言葉の意味もわからず、絵を楽しむこともできません。
でも、大切なのは、赤ちゃんと一緒に同じものを見て、ページをめくって、お話しするということ。
コミュニケーションを楽しむことが、赤ちゃんへの読み聞かせの第一歩です。
1歳前後、絵本をかじってしまうころの赤ちゃんには、全部のページを順番に読むことはできないかもしれません。
読まないうちにどんどんページが進んだり、戻ったり。
いまはまだ絵本で「遊んで」いるのですね。
それならひとまず、このひと時を楽しみましょう。
くりかえしページをめくるうち、いつか絵を見て、言葉を聞いて、おもちゃとは違う、絵本ならではの魅力に気づくはず。
…そしてもしも途中で飽きてしまったら?
そんなときには無理をせず、読み聞かせは「お・し・ま・い」。
絵本はお片づけしちゃいましょう!
赤ちゃんが絵本と仲良くできますように。
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